この記事の結論

正直にお伝えすると、現場の保育士のまま年収1000万円に届くのは、ごく一部です。実現している人の多くは複数の園を運営する法人の経営層など、特別なキャリアを歩んでいます。とはいえ、園長で約736万円、主任で約602万円など、年収を大きく上げる現実的な道はあります。この記事では1000万円への方法を解説しつつ、まず今より収入を上げる現実的な一歩もお伝えします。

  • 役職別に保育士の年収がどこまで上がるかが分かる
  • 年収1000万円を目指す7つの方法と必要スキルが分かる
  • 今すぐできる現実的な年収アップの一歩が分かる

「保育士は年収1000万円稼げる」というネットの情報を見て、本当かな?と気になった方も多いと思います。結論から言うと簡単ではありませんが、働き方やキャリアを変えることで年収を上げることは十分に可能です。この記事では、現実的なデータをもとに、無理なく収入を上げる方法まで解説します。

監修者 江波戸 純希
監修者

江波戸 純希えばと よしき

WEBBOX合同会社 代表/スキマほいく運営責任者

保育士向けの求人サービス「スキマほいく」を企画・運営。保育施設の採用と、保育士の職場さがしの両方に日々関わる立場から、求人サービスの仕組みや、求人票では分からない職場の見極め方を発信しています。厚生労働省・こども家庭庁の一次情報にあたりながら、記事内容を確認しています。

この記事の目次開く閉じる
  1. 結論:現場の保育士のまま年収1000万円はごく一部。でも年収は上げられる
  2. 【計算で検証】1000万円までの距離はどれくらい?
  3. 【シミュレーター】あなたの年収はどこまで上がる?
  4. なぜ保育士は年収1000万円が難しいのか
  5. 【役職別】保育士の年収はどこまで上がる?
  6. 保育士が年収1000万円(高収入)を目指す7つの方法
  7. 独立・開業で1000万円は可能か【数字で検証】
  8. 年収1000万円の手取りはいくら?
  9. 【現実的なゴール】年収500万・600万・700万の作り方
  10. 年収1000万円を目指すために必要なスキル
  11. まずは「今より年収を上げる」現実的な一歩から
  12. サポートを受けて転職したい人向けの転職エージェント
  13. よくある質問
  14. まとめ:1000万円は一部でも、年収アップの道は誰にでもある

結論:現場の保育士のまま年収1000万円はごく一部。でも年収は上げられる

まず現実を正確におさえましょう。保育士の平均年収は約407万円で、全職種の平均(約460万円)より低い水準です。そして、現場で働く保育士のまま年収1000万円に到達するのは、極めて限られたケースです。

実際に1000万円を実現している人は、複数の保育園を運営する法人の理事長や経営幹部など、経営側に回った人がほとんど。単独の園の園長でも、年収は700〜800万円台が目安とされています。

ただ、悲観する必要はありません。役職に就く・働き方を変える・専門性を高めることで、平均を大きく超える年収を目指すことは十分に可能です。次章から具体的に見ていきましょう。

監修者 江波戸 純希監修者コメント江波戸 純希(WEBBOX合同会社 代表/スキマほいく運営責任者)

この記事を読んでいる方に、まず正直にお伝えします。雇われた保育士のまま年収1000万円に届く方は、ほぼいません。園の収入に上限がある以上、構造的に無理があります。

ただ、それは「あきらめてください」という意味ではありません。1000万は難しくても、500万、600万は十分に射程内です。そこを目指すほうが、人生は確実に変わります。

【計算で検証】1000万円までの距離はどれくらい?

感覚ではなく、数字で見てみましょう。保育士の平均年収は約407万円です。1000万円との差は593万円。この差を埋めるには、何が必要なのでしょうか。

手段年収の増加1000万までに必要な数
副主任になる(月4万円の手当)+48万円12人分の役職が必要
園長になる+290万円それでも約697万円で届かない
夜勤のある施設で働く+50〜80万円それだけでは届かない
単発の副業(月4日)+40万円毎月15日働く必要がある
複数の保育園を経営する事業所得ここで初めて現実的に

結論は明快です。雇われた保育士のまま、給与だけで1000万円に届く道はほぼありません。園長ですら平均697万円。国が定めた公定価格で園の収入に上限がある以上、給与の上限も決まってしまうのです。

1000万円に届く方は、ほぼ全員が「経営する側」に回っています。園を複数運営する、法人を立ち上げる、独立して事業として保育をする。給与所得ではなく、事業所得で稼いでいるのです。

【シミュレーター】あなたの年収はどこまで上がる?

1000万円は難しくても、今より年収を上げることは誰にでもできます。現在の年収と、取り入れられそうな方法を選んでみてください。

到達できる年収の目安

400万円

手取りの目安:約320万円

1000万円まで、あと600万円

※各手段の増加額は、公的統計や求人データをもとにした概算です。家賃補助は非課税のため、実質の手取り増を年収換算で示しています。手取りは額面の約80%として算出しています。実際の金額は園・自治体・雇用形態により異なります。

いかがでしょうか。すべてを組み合わせても1000万円には届きにくいのが分かると思います。ただ、2つ3つ選ぶだけで500万〜600万円には手が届きます。ここが、現実的な目標ラインです。

監修者 江波戸 純希監修者コメント江波戸 純希(WEBBOX合同会社 代表/スキマほいく運営責任者)

相談を受けるとき、私は必ず聞きます。「いくらあれば、あなたは満足できますか」と。1000万という数字が独り歩きしている方は、たいてい即答できません。

多くの方は「今より月3万円多ければ十分」とおっしゃいます。年36万円です。これなら、園を変えるか、役職に就くか、単発で月3日働くだけで届きます。

なぜ保育士は年収1000万円が難しいのか

そもそも、なぜ保育士は年収が上がりにくいのでしょうか。背景には、保育業界ならではの構造的な理由があります。

  • 成果主義ではなく年功序列だから:営業職のように個人の成果が給与に直結せず、頑張りが収入に反映されにくい仕組みです。
  • 管理職のポストが少ないから:昇進の行き着く先は園長・主任などですが、枠が限られ、競争率も高くなります。
  • 運営費に上限があるから:認可保育園の収入は国・自治体からの補助金(公定価格)と保育料が中心で、一般企業のように売上を伸ばして利益を増やすことが難しい事業です。
  • 人件費の割合が高いから:運営費の7〜8割が人件費に充てられるため、一人あたりの給与が大きく上がりにくい構造です。

つまり、今の働き方を続けるだけでは大幅な年収アップは難しいということ。だからこそ、キャリアや働き方の工夫が必要になります。

【役職別】保育士の年収はどこまで上がる?

年収を上げるイメージをつかむために、役職ごとの年収の目安を見てみましょう。役職に就くほど、平均を大きく超えていくことが分かります。

役職・立場年収の目安
一般保育士(平均)約407万円
主任保育士約602万円
園長・施設長(私立)約736万円
園長・施設長(公立)約774〜796万円
複数園を運営する法人の経営層・理事長1,000万円〜(ごく一部)

出典:こども家庭庁「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より編集部作成。金額は地域・法人で異なります。

ポイントは、主任・園長といった役職に就くだけで、全職種平均の460万円を超えられること。1000万円はハードルが高くても、600〜800万円は現実的な目標になります。

保育士が年収1000万円(高収入)を目指す7つの方法

ここからは、年収1000万円に近づく、あるいは今より大きく年収を上げる具体的な方法を7つ紹介します。自分に合いそうなものを探してみてください。

① 園長・施設長など管理職を目指す

いちばん王道のルートです。園長・施設長になると年収700〜800万円台が見えてきます。多くは保育士として10年以上の経験を積み、キャリアアップ研修や昇格試験を経て就任します。まずはここを目標にするのが現実的です。

② 複数園を運営する法人の経営層・独立開業

年収1000万円を実際に達成している人の多くがこのルートです。複数の園を運営してスケールメリットを出し、法人の経営幹部・理事長として高収入を得ます。自分で保育園や保育事業を開業する道もありますが、経営リスクと責任は大きくなります。

③ フリーランス保育士・プロのベビーシッターになる

個人事業主として活動すれば、働いた分だけ収入になります。特にベビーシッターは料金を自分で設定でき、モンテッソーリやバイリンガル対応など付加価値をつけると高単価に。実際に月収70万円を超える保育士シッターもいます。ただし安定して依頼を得るには戦略が必要です。

④ 専門性・語学を掛け合わせて付加価値をつける

英語やモンテッソーリ、幼児教育などの専門性を身につけると、インターナショナルスクールや幼児教室など、給与水準の高い職場で評価されます。「保育士+α」の掛け算が、収入を上げるカギになります。

⑤ 保育系企業の本部職・総合職に就く

保育施設を全国展開する企業では、現場経験を積んだあとに本部スタッフとして働く道があります。保育とビジネスの両方のスキルが身につき、一般的な保育園より給与が高めに設定されていることも多いです。

⑥ 副業・Wワークで収入を足す

本業の保育士を続けながら、副業で収入を足す方法です。休日に単発の保育の仕事を入れたり、ベビーシッターとして活動したりと、無理のない範囲で収入を増やせます。ただし園によって副業が禁止されている場合があるので、就業規則の確認は必須です。

⑦ 高待遇・好条件の園へ転職する

実は、同じ経験年数でも園を変えるだけで年収が変わることがあります。まずは今の職場の外にどんな条件の園があるかを知り、より待遇の良い園へ移るのも、着実な年収アップの方法です。

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監修者 江波戸 純希監修者コメント江波戸 純希(WEBBOX合同会社 代表/スキマほいく運営責任者)

独立して1000万を稼ぐ方は実在します。ただ、その方たちは保育士としてではなく、経営者として稼いでいます。集客も採用も資金繰りも、すべて自分の仕事になります。

「子どもと関わりたい」が動機なら、独立は遠回りかもしれません。稼ぐことと、保育をすることは、途中から別の仕事になっていくからです。

独立・開業で1000万円は可能か【数字で検証】

1000万円に届く保育士は、ほぼ全員が独立か経営者です。では、その道はどれくらい現実的なのでしょうか。3つのモデルで計算してみます。

① ベビーシッターとして独立する

時給を高く設定できるのが魅力ですが、計算すると厳しさが見えます。

条件必要な稼働現実性
時給2,000円の場合年間5,000時間(1日20時間×250日)不可能
時給3,000円の場合年間3,333時間(1日13時間×250日)体力的に困難
時給5,000円の場合年間2,000時間(1日8時間×250日)単価を上げれば可能性あり

ポイントは「単価を上げられるか」です。英語・ピアノ・受験対応・病児対応など、他のシッターにない強みが必要になります。加えて、集客・経理・確定申告もすべて自分でやることになります。

② 保育園を経営する

企業主導型保育所や小規模保育園を運営する道です。複数園を運営すれば1000万円は現実的になります。

ただし、開園には数千万円の資金、物件の確保、保育士の採用、行政への申請が必要です。そして開園後は、保育をする時間より、資金繰りと採用に追われる時間のほうが長くなります

③ 保育の知識を教える・発信する

研修講師、保育系のライター、オンライン講座の運営、書籍の執筆。保育士としての経験を、情報として売る道です。

1000万円に届く方もいますが、それは保育の腕ではなく、発信力と企画力で稼いでいるということです。何年もかけて実績と信頼を積み上げた結果であり、誰にでも再現できる道ではありません。

年収1000万円の手取りはいくら?

意外に知られていませんが、年収1000万円の手取りは約720万円です。税金と社会保険料で、およそ280万円が引かれます。

年収手取りの目安差し引かれる額
400万円(平均的な保育士)約320万円約80万円
500万円約390万円約110万円
600万円約460万円約140万円
700万円(園長クラス)約530万円約170万円
1000万円約720万円約280万円

注目してほしいのは、年収が倍になっても、手取りは1.8倍にしかならないということです。400万円と1000万円の差は600万円ですが、手取りの差は400万円です。

そして、年収500万円なら手取り390万円。いまの平均から100万円上げるだけで、手取りは月に約6万円増えます。1000万円を追いかけるより、こちらのほうが人生への影響は早く出ます。

監修者 江波戸 純希監修者コメント江波戸 純希(WEBBOX合同会社 代表/スキマほいく運営責任者)

年収1000万円と聞くと大金に思えますが、手取りは約720万円です。税金と社会保険料で280万円ほど引かれます。

一方、年収500万円なら手取りは約390万円。1000万との差は330万円です。倍の年収でも、手元に残るのは1.8倍ほど。数字を知ると、目標の立て方が変わります。

【現実的なゴール】年収500万・600万・700万の作り方

1000万円ではなく、届く目標を立てましょう。それぞれのラインに到達する組み合わせを示します。

目標組み合わせの例必要な期間の目安
年収500万円副主任(+48万)+ 待遇の良い園へ転職(+40万)3〜5年
年収550万円上記 + 単発で月4日働く(+40万)3〜5年
年収600万円夜勤のある施設(+60万)+ 役職(+48万)+ 家賃補助(+84万相当)5〜7年
年収700万円園長・施設長になる15〜20年

「家賃補助(+84万相当)」を入れているのには理由があります。月7万円の家賃補助は、年収を84万円上げるのと同じ効果があるからです。しかも非課税なので、実質はそれ以上の価値があります。年収を上げるより、支出を減らすほうが簡単なのです。

これらは、どれも普通の保育士が実際にやっていることです。特別な才能も、数千万円の資金もいりません。

年収1000万円を目指すために必要なスキル

高収入を目指すうえで、身につけておきたいスキルは次のとおりです。現場の保育スキルだけでは年収を大きく上げにくいため、「保育+α」を意識しましょう。

  • 経営・マネジメント力:園の運営や独立を目指すなら、事業計画や予算管理の知識が欠かせません。
  • リーダーシップ:主任・園長など、チームをまとめる立場に必要です。日頃から意見交換の場づくりを意識しましょう。
  • 語学力・専門資格:英語やモンテッソーリなどの専門性は、そのまま収入アップの付加価値になります。
  • 自己投資を続ける姿勢:資格取得や研修への参加など、学び続けることが高収入への近道です。

まずは「今より年収を上げる」現実的な一歩から

年収1000万円は大きな目標ですが、いきなりそこを目指さなくても大丈夫です。まずは「今より少しでも収入を上げる」現実的な一歩から始めましょう。おすすめは次の2つです。

  • 副業OKなら、単発で稼働を足す:休日に単発の保育の仕事を入れれば、無理なく収入をプラスできます。いろいろな園を経験でき、視野も広がります。
  • 好条件の園を探して、相場を知る:まず今の職場の外の求人を見て、より待遇の良い園があれば移る。これも着実な年収アップです。

スキマほいくは求人広告型の求人情報サービスなので、単発1日から働けて、気になる園には直接応募できます。担当者からの営業電話もありません。「まず単発で収入を足したい」「好条件の園を探したい」という現実的な一歩に、ぴったりのサービスです。

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  • 首都圏で正社員を目指したい
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よくある質問

現場の保育士のまま年収1000万円は可能ですか?

現場で働く保育士のまま年収1000万円に届くのは、ごく一部です。実現している人の多くは、複数園を運営する法人の経営層など経営側に回っています。ただし、園長・主任などの役職に就けば600〜800万円台は目指せます。

フリーランス保育士なら年収1000万円を目指せますか?

不可能ではありませんが簡単ではありません。個人事業主のベビーシッターは料金を自分で設定でき、専門性を高めれば高単価になります。ただし安定して依頼を得るには戦略と時間が必要で、収入が不安定になるリスクもあります。

保育士は副業で収入を増やせますか?

園によっては副業が認められている場合もあります。休日に単発の保育の仕事やベビーシッターをするなど、無理のない範囲で収入を足せます。ただし副業禁止の園もあるため、就業規則を必ず確認してください。

年収を上げたいとき、まず何から始めればいいですか?

まずは「処遇改善手当が自分に届いているか」を確認し、次に役職や資格でのアップを検討しましょう。あわせて、副業OKなら単発で収入を足したり、好条件の園を探したりと、今できる現実的な一歩から始めるのがおすすめです。

保育士で年収1000万円は本当に無理ですか?

雇われた保育士のままでは、ほぼ不可能です。園長でも平均697万円で、公定価格により園の収入に上限があるためです。1000万円に届く方は、複数の園を経営するなど「経営する側」に回っています。

年収1000万円の手取りはいくらですか?

約720万円です。税金と社会保険料で約280万円が引かれます。年収が倍になっても手取りは1.8倍程度にしかならないため、目標は現実的なラインで立てるほうが効果的です。

ベビーシッターとして独立すれば1000万円稼げますか?

時給5,000円で年間2,000時間働けば計算上は届きますが、単価を上げる強み(英語・病児対応など)と、集客・経理をすべて自分で行う覚悟が必要です。時給2,000円では、計算上も不可能です。

現実的にはいくらを目指すべきですか?

年収500〜600万円が現実的なラインです。副主任になり、待遇の良い園へ転職し、家賃補助を使う。この3つで到達できます。手取りは月に6万円以上増えます。

家賃補助は年収アップと同じ効果がありますか?

あります。月7万円の家賃補助は年84万円分の支出減にあたり、しかも非課税です。年収を84万円上げるより、はるかに実現しやすい方法です。

まとめ:1000万円は一部でも、年収アップの道は誰にでもある

現場の保育士のまま年収1000万円に届くのはごく一部ですが、役職に就く・働き方を変える・専門性を高めることで、平均を大きく超える年収は十分に目指せます。そして、いきなり大きな目標を掲げなくても、「副業で収入を足す」「好条件の園に移る」といった現実的な一歩から始められます。自分に合ったペースで、着実に年収を上げていきましょう。