この記事の結論

保育士の休憩は、シフト表に時間が書かれているだけでは足りません。子どもの見守りや電話対応などの業務から離れ、自由に使える時間かどうかが大切です。今の園では取得状況を記録して相談し、転職先では休憩中の交代要員と中断時の対応まで確認しましょう。

  • 実労働が6時間を超え8時間以下なら45分以上、8時間を超えるなら1時間以上が原則
  • 午睡中の見守りや、対応を義務づけられた待機は休憩と分けて考える
  • 「休憩あり」だけでなく、誰が保育を引き継ぐかを聞く

昼食をかき込み、午睡の確認をしながら連絡帳を書く。シフトには「休憩60分」とあるのに、休んだ実感がない。そうした状況は、本人の時間の使い方だけで解決できるとは限りません。

この記事では、休憩の基本ルールと、園内での相談、求人票・園見学で確認することを整理します。公的資料に基づく一般的な説明です。個別の勤務状況の判断は、記録をもとに労働基準監督署などへ相談してください。

監修者 江波戸 純希
この記事の監修

江波戸 純希えばと よしき

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマほいく 編集責任者

職業紹介責任者講習を修了し、有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍して、看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で転職支援を担当。この職業紹介に関する経歴は、本サービス以外での実務経験です。現在はWEBBOX合同会社の代表社員として保育士向けの求人情報サービス「スキマほいく」を運営し、厚生労働省・こども家庭庁の一次情報にあたりながら記事内容を確認しています。

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この記事の目次開く閉じる
  1. 保育士の休憩時間は何分必要?
  2. 午睡・給食・電話待機は休憩になる?
  3. 休憩が取れないときに確認したい体制
  4. 今の園で休憩を取れないときの相談手順
  5. 休憩を取れる園を探す質問表
  6. 転職先の休憩体制を相談する
  7. よくある質問
  8. 参考資料・相談先

保育士の休憩時間は何分必要?

厚生労働省は、労働基準法第34条に基づく休憩の最低時間を次のように説明しています。休憩は労働時間の途中に必要です。勤務の最初や最後に置いて、遅く出勤・早く退勤するだけでは、この休憩の代わりにはなりません。

1日の実労働時間法定の最低休憩時間(原則)境目の考え方
6時間以下法律上の付与義務なしちょうど6時間もここに含む。契約・就業規則の定めは別途確認
6時間を超え、8時間以下45分以上ちょうど8時間なら45分以上
8時間を超える1時間以上残業を含む実労働が8時間を超えた場合も確認

たとえば9時〜18時の勤務で1時間の休憩を実際に取っていれば、実労働は8時間です。「拘束9時間」と「実労働9時間」を混同しないようにしましょう。パートでも、実労働時間が上の条件に当てはまれば休憩が必要です。

出典:厚生労働省「休憩時間は法律で決まっていますか。」。法律上の最低時間より長い休憩を契約等で定めている場合は、その内容も確認してください。

午睡・給食・電話待機は休憩になる?

判断の中心は「その時間に業務から離れられるか」です。厚生労働省の資料でも、休憩と手待時間は、使用者の指揮命令下にあるか、時間の自由な利用が保障されているかで区別されています。子どもが眠っている、電話が鳴っていないというだけで休憩にはなりません。

場面確認するポイント
午睡中、保育室で見守りや呼吸の確認を担当する安全確認の業務が続いている。子どもが寝ていても、業務から離れた休憩とは区別する
子どもと給食を食べ、介助や見守りをする食事を取れていても、介助等を担当している時間は業務として考える
休憩室にいるが、電話・保護者対応を義務づけられている実際に対応した時間だけでなく、待機の義務と拘束の実態を確認する
休憩中に指示された連絡帳・日誌を書く場所が休憩室でも、指示に基づく作業は休憩と分ける
別の職員が業務を引き継ぎ、自由に過ごせる途中で呼び戻されたときの記録と、残りの休憩の取り方も確認する

参考:厚生労働省「労働時間の認定に係る質疑応答・参考事例集」問5・問6。上表は編集部が保育現場の場面に置き換えた確認例で、個別事案の法的判断ではありません。

担当業務から外れているかが大切なので、休憩室の有無だけでも判断できません。逆に、別室に行けても常に呼び出しに応じる義務があるなら、自由に利用できる時間かを確認する必要があります。

休憩が取れないときに確認したい体制

園内で話し合うときは、「忙しいから仕方ない」で終わらせず、どこで交代が止まっているかを整理します。以下は原因を調べるための着眼点です。

  • 交代する人:休憩の時間帯に、保育を引き継ぐ職員が決まっているか
  • 欠勤時の対応:普段の交代要員が欠勤した場合に、代わりの配置を決めているか
  • 書類の時間:連絡帳や日誌の作成時間を、休憩とは別に確保しているか
  • 中断の扱い:呼び戻された後、残りの休憩をいつ取るかが決まっているか
  • 勤怠の記録:予定された休憩と、実際に取得した時間を区別しているか

配置基準を満たしているかと、休憩を回せる体制があるかは別の確認事項です。人数の考え方は保育士の配置基準で確認できますが、求人選びでは休憩時の交代を含む1日の配置も聞きましょう。

今の園で休憩を取れないときの相談手順

1.予定と実際の取得時間を記録する

日付、出退勤、予定された休憩、実際に業務から離れた時間、中断して対応した仕事をメモします。「休めなかった」だけでなく、何時から何時まで何をしていたかを残すと、配置や勤怠を見直す材料になります。

【記録例・架空】 日付:○月○日 予定の休憩:13:00〜14:00 実際に業務から離れた時間:13:00〜13:20 13:20〜14:00:呼び戻され、午睡の見守りを担当 その後の休憩:取得できず 勤怠上の扱い:休憩60分となっているため、確認を依頼

記録には子どもや保護者の氏名など不要な個人情報を入れず、自分の勤務の事実を中心に残してください。

2.主任・園長・法人の窓口へ具体的に相談する

休憩中に担当していた業務と、勤怠上の扱いを伝え、交代要員や再取得の方法を相談します。園内に労務担当や相談窓口がある場合は、その窓口も選択肢です。

シフトでは休憩60分ですが、今週は午睡の見守りで途中に戻り、その後の休憩を取れない日がありました。取得できた時間を記録しています。休憩中の交代担当と、中断したときの取り直し方、勤怠の修正について相談できますか。

3.改善しない場合は外部の窓口へ

休憩の未取得や賃金の扱いは、勤務先を管轄する労働基準監督署へ相談できます。相談先に迷う場合は、厚生労働省の総合労働相談コーナーで案内を受ける方法もあります。勤務記録・給与明細・雇用条件など、状況が分かるものを用意してください。

今の園での休憩や勤怠の問題を解決する相談と、次の職場を探す相談は別です。転職支援サービスへの登録だけで、現在の未取得休憩や未払い賃金の問題が解決するわけではありません。

休憩を取れる園を探す質問表

求人票の「休憩60分」は予定時間の情報です。面接や園見学では、直近の運用例を聞くと、どのように休憩を確保しているか分かりやすくなります。

質問の例具体的に確認する内容
担任が休憩する間は、どなたがクラスを引き継ぎますかフリー職員や交代担当の配置、引き継ぎの方法
職員の欠勤がある日は、休憩の交代をどう組み直しますか普段と異なる日の応援体制
休憩中に見守りや電話の担当はありますか休憩者が担当から外れるか、待機を求められるか
連絡帳や日誌を書く時間は、いつ設けていますか休憩と書類作成を分けているか
休憩が中断した日は、その後どのように対応していますか残りの休憩の確保、勤怠への記録
最近の1日の休憩の回し方を教えていただけますか開始時刻・交代・取得状況の具体例

「みんな取れています」と答えられたら、交代方法をもう一つ聞きます。回答が曖昧な場合は応募を急がず、採用担当への追加確認や別の日の見学を相談してもよいでしょう。1回の見学だけで、常に休めることを確認できるとは限りません。

転職先の休憩体制を相談する

別の園も検討する場合は、給与や通勤条件と一緒に「休憩中は保育・書類・電話対応から離れられる体制を希望する」と伝えましょう。直接応募なら園の採用担当へ、転職支援サービスを使うなら担当者を通して、上の質問を確認します。

マイナビ保育士には、園見学で得た情報を求職者に伝える旨を紹介しているアドバイザーがいます。ただし、すべての園の最新の休憩取得状況を把握しているとは限りません。候補の園へ追加確認できるかを相談し、具体的な回答を比較してください。

保育士の休憩時間に関するよくある質問

実働8時間なら休憩は何分必要ですか?

法律上は原則として45分以上です。実労働が8時間を超えると1時間以上になります。契約や就業規則で60分などの休憩を定めている場合は、その内容も確認してください。

6時間勤務のパートにも休憩は必要ですか?

実労働がちょうど6時間なら、法律上の休憩付与義務は原則ありません。ただし、残業等で6時間を超えれば45分以上が必要です。契約・就業規則で休憩を定めている場合は別途確認します。

午睡の見守りをしながら休憩扱いにできますか?

見守りや安全確認の担当が続いている時間は、業務から離れた休憩とは区別して考えます。子どもが寝ているかではなく、担当業務から外れて自由に過ごせるかを確認してください。

休憩中に呼び戻されたらどうすればよいですか?

呼び戻されて対応した時間と業務を記録し、残りの休憩をいつ取るか、勤怠にどう反映するかを園に確認してください。未取得が続く場合は、記録をもとに労働基準監督署などへ相談できます。

参考資料・相談先

確認日:2026年10月17日。質問表と記録・相談の例文は編集部作成です。